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企業版ふるさと納税とは|個人のふるさと納税との違いと、税の軽減が最大約9割になる仕組み

企業版ふるさと納税(正式には地方創生応援税制)は、国が認定した地方公共団体の地方創生の事業に企業が寄附したとき、法人関係税から税額控除を受けられる制度です(内閣府)。個人が使うふるさと納税とは別の制度で、会社員が勤務先を通じて控除を受ける仕組みではありません。

この記事では、内閣府と総務省の公表資料で確かめた内容で、個人のふるさと納税との違いと、企業版の条件を整理します。記載の内容は2026年9月27日に確認したものです。

個人のふるさと納税との違い

項目

個人のふるさと納税

企業版ふるさと納税

寄附する人

個人

企業

軽くなる税

所得税・住民税(寄附金控除)

法人住民税・法人事業税・法人税

寄附先

全国の都道府県・市区町村

地域再生計画の認定を受けた地方公共団体の事業。本社がある地方公共団体は対象外

お礼

お礼の品を送る自治体がある

寄附企業への経済的な見返りは禁止

負担

上限額の範囲なら自己負担2,000円

軽減は最大約9割(企業の負担は約1割)

個人のふるさと納税は、生まれ故郷に限らず全国の自治体に寄附でき、お礼として特産品を送る自治体もあります(総務省「よくある質問」Q2・Q12)。個人のふるさと納税の仕組みはふるさと納税とはにまとめています。

税の軽減が最大約9割になる仕組み

寄附額は損金に算入でき、これで約3割が軽減されます。これに税額控除(最大6割)が加わり、合わせて最大約9割の軽減になります。内閣府の資料では「1,000万円寄附すると、最大約900万円の法人関係税が軽減」という例が示されています。税額控除の内訳は次のとおりです。

税目

税額控除

上限

法人住民税

寄附額の4割

法人住民税法人税割額の20%

法人税

法人住民税で4割に達しない場合の残額(寄附額の1割が限度)

法人税額の5%

法人事業税

寄附額の2割

法人事業税額の20%

税目ごとに上限があるので、「約9割」は最大の場合です。税額控除の割合が今の形になったのは令和2年度の税制改正からで、それまでの税額控除は最大3割でした(内閣府「令和7年度税制改正」の資料)。

企業版を使うときの条件

  • 見返りは禁止:寄附企業への経済的な見返りは禁止です。地方公共団体のホームページや広報誌で寄附企業名を紹介することや、公正な手続きを経た地方公共団体との契約などはできます(内閣府 制度概要。詳しくは内閣府のQ&A)
  • 本社がある地方公共団体は対象外:本社が所在する地方公共団体への寄附は対象になりません
  • 10万円以上:対象になるのは10万円以上の寄附です
  • 対象外の団体:東京都と、地方交付税の不交付団体で三大都市圏の既成市街地等にある市区町村は、この制度の対象外です
  • 認定された事業への寄附:地方公共団体が地方版総合戦略をもとに地域再生計画を作り、国の認定を受けた事業が対象です。2026年8月21日現在で、効力のある認定計画を持つ団体は1,671団体(46道府県・1,625市町村)です(内閣府 令和8年度第1回認定)

寄附を募集している事業は、内閣府のポータルサイトに地域別・分野別の一覧があります。一覧に載っていない事業にも寄附を充てられる場合があるので、各地方公共団体の担当部署に問い合わせるよう案内されています。企業の人材を地方公共団体に派遣し、その人件費分の寄附をあわせて行う「人材派遣型」という使い方もあり、2026年4月1日には「副業タイプ」の資料も掲載されました。

実績と期限

項目

数字

出どころ

企業版の寄附額(令和6年度)

約631.4億円(前年度の約1.3倍)

内閣府(2025年9月19日)

企業版の寄附件数・企業数(令和6年度)

18,457件・8,464社

内閣府(2025年9月19日)

個人のふるさと納税の受入額(令和7年度)

約1兆3,314億円

総務省(2026年7月31日)

企業版は平成28年度に始まりました。令和7年度の税制改正で、税額控除の特例措置が3年間延長され、令和9年度までとなっています(内閣府「令和7年度税制改正 企業版ふるさと納税の延長」)。期限のある制度なので、使う前に内閣府のポータルサイトで最新の内容を確かめます。

会社員や個人事業主は使える?

企業版の税額控除は、法人住民税・法人事業税・法人税から差し引く仕組みです。勤務先が企業版で寄附しても、社員の所得税や住民税が安くなるわけではありません。個人が自治体に寄附して控除を受けるときは、個人のふるさと納税(寄附金控除)になります。個人事業主の場合は個人事業主のふるさと納税にまとめています。

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出典