個人事業主のふるさと納税|上限額の考え方と確定申告の書き方

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個人事業主もふるさと納税を使えます。ただし、事業所得を確定申告する人はワンストップ特例を使えないので、確定申告書に寄附金控除を書きます(国税庁 No.1155)。上限額は売上ではなく、経費や所得控除を引いたあとの所得から計算される住民税の所得割額で決まります。寄附は事業の経費ではなく、所得控除(寄附金控除)として扱われます。
この記事では、国税庁・総務省の案内で確かめた内容で、個人事業主の上限額の考え方と申告のしかたを整理します。記載の内容は2026年9月27日に確認したものです。
ワンストップ特例は使えない
ワンストップ特例は、確定申告が不要な給与所得者などが、寄附先が5団体以内の場合に使える制度です。国税庁は、確定申告を行う人はワンストップ特例の申請が無効になるので、申請した分も含めて寄附金控除額を計算する必要があるとしています(No.1155)。申請書を出していても、確定申告書にその年の寄附をすべて書きます。
寄附金控除を書かずに確定申告をしてしまった場合は、更正の請求で控除を受けられます。更正の請求ができるのは、原則として法定申告期限から5年以内です。控除を入れても最終的な所得税の額が変わらない場合は更正の請求ができないので、市区町村に相談します(No.1155・No.2026)。
上限額は「所得」から決まる
上限額は、住民税の特例分が所得割額の2割を超えない範囲で決まります(総務省)。所得割額は所得から所得控除を引いた額で計算されるので、個人事業主は次のものが上限額に効きます。
項目 | 上限額への影響 | 確かめたこと |
|---|---|---|
必要経費 | 事業所得が減るので下がる | 上限額は売上ではなく所得で決まる |
青色申告特別控除 | 所得が減るので下がる | 55万円(e-Taxで申告するか電子帳簿保存をしていれば65万円)または10万円(国税庁 No.2072) |
国民健康保険・国民年金などの社会保険料 | 所得控除なので下がる | その年に支払った額の全額を社会保険料控除として引く(国税庁 No.1130) |
小規模企業共済・iDeCoの掛金 | 所得控除なので下がる | 支払った掛金の全額が控除になる(国税庁 No.1135) |
青色事業専従者給与 | 必要経費になるので下がる | 相当な額が必要経費になり、専従者は配偶者控除・扶養控除の対象になれない(国税庁 No.2075) |
上限額はおおよそ「住民税所得割額×20%÷(90%−所得税の税率×1.021)+2,000円」で計算できます。計算のしかたと例はふるさと納税の限度額はいくら?にまとめています。
住民税を自分で納める(普通徴収の)人は、市区町村から届く納税通知書で所得割額を確かめます。ただし、通知書の所得割額は前年の所得で計算されたものです。上限額は寄附した年の所得で決まるので、売上や経費が前年と変わる年は、今年の見込みで考え直します。上限額の目安を調べるときは、給与以外の所得を入力できるかを確かめて使います:さとふるの控除上限額シミュレーション
寄附は事業の経費にならない
ふるさと納税は、所得税では寄附金控除という所得控除で扱われます(国税庁 No.1150・No.1155)。事業の売上を得るための費用ではないので、必要経費には入れず、確定申告書の寄附金控除の欄に書きます。事業用の口座やカードで払った場合も、帳簿では事業の経費と分けて記帳します。
税 | 控除 |
|---|---|
所得税 | (その年の寄附の合計−2,000円)を所得から引く。対象の寄附は総所得金額等の40%まで |
住民税 | 翌年度の住民税から基本分と特例分を引く(特例分は所得割額の2割まで) |
返礼品は一時所得
国税庁の質疑応答事例では、ふるさと納税の返礼品による経済的利益は一時所得にあたり、返礼品を受け取った年分の一時所得になるとしています。一時所得には最高50万円の特別控除があるので、その年のほかの一時所得(生命保険の一時金など)と合わせた総収入金額が50万円を超えなければ、課税関係は生じません。
確定申告で用意するもの
- ふるさと納税の証明書:自治体の寄附金受領証明書か、特定事業者(ポータルサイトの運営会社など)が発行する「寄附金控除に関する証明書」。e-Taxでは証明書のデータを読み込めます(寄附金控除に関する証明書(XML)をe-Taxで使う方法)
- 寄附先の一覧:ワンストップ特例の申請書を出した寄附も含めて、その年の寄附をすべて書くため
- 提出の時期:青色申告特別控除の55万円・65万円を受けるには、確定申告期限(翌年3月15日)までに出す必要があります(国税庁 No.2072)
住民税の控除は、翌年度の住民税に反映されます。普通徴収の人が確かめる通知書と場所は控除が反映される時期にまとめています。
寄附先を探せるサイト
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出典
- 国税庁 タックスアンサー No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)、No.1150 寄附金控除、No.2072 青色申告特別控除、No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除、No.1135 小規模企業共済等掛金控除、No.1130 社会保険料控除、No.2026 確定申告を間違えたとき(令和8年4月1日現在法令等)。2026年9月27日確認
- 国税庁 質疑応答事例「「ふるさと納税」を支出した者が地方公共団体から謝礼を受けた場合の課税関係」「ふるさと納税の返礼品の収入計上時期」(令和7年8月1日現在の法令・通達等)。2026年9月27日確認
- 総務省「税金の控除について」。2026年9月27日確認


