ふるさと納税の地場産品基準とは|認められる例・認められない例と2026年10月の変更

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ふるさと納税の地場産品基準とは、返礼品がその自治体の区域内で生産・製造・提供されたものなど、総務省の告示が列挙する類型のどれかに当てはまることを求める決まりです(地方税法第37条の2第2項、平成31年総務省告示第179号 第5条)。区域外の原材料を使う加工品は、2026年10月からは区域内の工程で「価値の過半」が生じたことの証明と、自治体による公表が条件になります。
この記事では、認められる類型、総務省のQ&Aが挙げる「認められる例・認められない例」、2026年10月の変更点と計算の仕方を、総務省の告示・Q&A・通知で確かめた内容だけで整理しました。確認日はすべて2026年9月26日です。
認められる返礼品の類型
告示第5条(2026年10月1日からは第6条)が定める類型を、短く言い換えて並べました。どれか1つに当てはまれば地場産品です。
| 号 | 中身 |
|---|---|
| 1 | 区域内で生産されたもの |
| 2 | 原材料の主要な部分が区域内で生産されたもの |
| 3 | 区域内で製造・加工などの主要な工程を行い、相応の付加価値が生じたもの(食肉の熟成・玄米の精白は同じ都道府県産の原材料に限る) |
| 4 | 区域内で生産され、流通の都合で近隣の市区町村産と混ざってしまうもの |
| 5 | 自治体の広報のためのキャラクターグッズ・オリジナルグッズ(その自治体独自のものと明白なもの) |
| 6 | 1〜5に当たる返礼品に付属品をつけたもの(1〜5の部分が価値の7割以上) |
| 7 | 区域内で提供される役務(体験など。主要な部分が自治体と相当程度関連するもの) |
| 7の2・7の3 | 宿泊:同じ都道府県内だけで宿泊施設を運営する事業者の施設、またはそれ以外で調達費が1人1泊5万円以下のものなど(2024年10月から) |
| 7の4 | 区域内で地域のエネルギー源により発電された電気 |
| 8 | 近隣の市区町村と共同で、または都道府県と連携して設ける共通の返礼品など |
| 9 | 災害で提供できなくなった返礼品の代わりに提供するもの |
わかりやすく言うと:3つの問いのどれかに「はい」なら地場産品
- その自治体の区域内で採れた・育てた・作ったものか(1号。農産物・畜産物・水産物・区域内で製造した工業製品など)
- 主な原材料がその区域内で生産されたものか(2号。重量や付加価値の半分を一定程度以上上回る割合がその原材料によるもの。Q&A 問17)
- その区域内で主な工程を行い、相応の付加価値が生じているか(3号。切る・詰める・ラベルを貼るだけでは足りない。2026年10月からは「価値の過半」の証明と自治体による公表が条件。Q&A 問18)
このほかに、キャラクターグッズ(5号)、体験・宿泊(7号〜7号の3)、地域の電気(7号の4)、近隣との共通返礼品(8号)などの類型があります。寄附する人が判断する必要はなく、自治体が当てはめて総務省に届け出ます。ポータルサイトの返礼品ページに「区域内で〇〇の工程を行っている」などと明記するよう、Q&Aが自治体に求めています。
よく聞かれる品目の見方(総務省Q&Aの例に当てはめる)
総務省のQ&A(2026年4月1日版、問17・問18・問18の2〜18の4)が挙げる例を、品目ごとに並べました。Q&Aに例のない品目は、どの類型で判断されるかだけを書いています。
| 品目 | 認められる形 | 認められない形(Q&Aの例) |
|---|---|---|
| 精肉(牛・豚・鶏) | 区域内で飼養された家畜の肉(1号)。家畜が「生産」された区域は飼養が行われた区域で、家畜市場やと畜場があるだけの区域は当たらない(問18の3) | 区域外から調達したブロック肉を区域内で切断・パック詰めしただけの精肉。区域内の工程が枝肉の切断だけの精肉(問18) |
| 熟成肉 | 同じ都道府県内で飼養された家畜の肉を区域内で熟成させたもの(3号イ) | 輸入した海外産の牛肉を区域内で熟成させたもの(問18の2) |
| ハンバーグ・ソーセージ・餃子など肉の加工品 | 区域外産の豚肉でも、区域内で切断・調理・袋詰めしている加工品は認められる例(問18)。3号なので、2026年10月からは区域内の工程で価値の過半が生じたことの証明と公表が要る | 区域内で詰め替えやラベル貼りだけをしたもの(問18の「実質的な変更に当たらない例」) |
| 米・無洗米 | 区域内で収穫した米(1号)。同じ都道府県内で収穫した玄米を区域内で精白したもの(3号イ)。無洗米加工は「玄米の精白」に含まれる(問18の4) | 県外で収穫した玄米を区域内で精白・無洗米加工したもの(問18の2・18の4) |
| 果物・野菜・鮮魚 | 区域内で生産・水揚げされたもの(1号)。流通上、近隣の市区町村産と混ざることが避けられないものは4号 | 区域外で生産されたフルーツを区域内の事業者がパッケージしただけのもの(問18) |
| ジュース・ジェラート・アイス | 区域内産の牛乳や果物を100%使って区域外で製造したジェラート、区域内で100%自社栽培したリンゴを区域外の工場で加工したジュース、柑橘の9割以上が区域内産のジュース(2号。問17) | 区域内産の牛乳を約1割使っただけの区域外製造のアイスクリーム(問17) |
| 鍋セット・惣菜 | 区域内産の主な具材を使うか(2号)、区域内で調理する(3号) | 区域内産の醤油・ポン酢を使っただけで区域外で加工したもつ鍋・水炊き(問17) |
| 日本酒・ビール・ワイン | 区域内産の酒米を100%使って区域外で醸造した地酒(2号)。区域外産の原材料でも区域内の醸造所で醸造した酒(3号。問17・問18) | 区域外で作ったビールに自治体のオリジナルシールを貼ったもの。缶の鉄を区域内で作っただけのビール(問17・問18) |
| 豆腐・パン・菓子・調味料 | Q&Aに直接の例はない。主な原材料が区域内産なら2号、区域内で製造して価値の過半が生じていれば3号。3号の返礼品は2026年10月から自治体のサイトに「区域内で生じた価値の割合」が公表される | 区域外で製造したものに包装やラベルだけを区域内で施したもの(問18の「実質的な変更に当たらない例」) |
| お茶・飲料 | 区域内で栽培した茶葉(1号)、区域内の工場で製造し価値の過半が生じているもの(3号) | 区域外で生産され、区域内の茶商が監修しているだけのペットボトルのお茶(問18) |
| 工芸品 | 区域外産のグラスに、商品価値の主な部分である伝統的な螺鈿細工や漆芸を区域内の事業者が施したもの(3号。問18) | — |
| 家電・日用品 | 区域内の事業者が、区域外産の原材料を使って区域内で加工・品質保守を一元管理し、自社製品として販売しているもの(3号。問18)。企画立案だけをA団体で行い製造はB団体の場合はQ&A 問19 | 海外で生産し、区域内の事業者が検品しているだけのラジオ(問18) |
| 宿泊・体験・旅行券 | 区域内で提供される役務で主な部分が自治体に相当程度関連するもの(7号)。宿泊は同じ都道府県内だけで運営する事業者の施設、またはそれ以外で1人1泊5万円以下など(7号の2・7号の3) | 宿泊施設を特定しない旅行券などはQ&A 問23〜問24の4の扱い |
「ハンバーグは地場産品か」「豆腐は地場産品か」のように品目だけでは決まりません。同じハンバーグでも、区域内で切断・調理・袋詰めまでしていればQ&Aの豚肉加工品の例に近く(3号)、区域外で作ったものを詰め替えただけなら当たらない、というように、原材料の産地と区域内の工程で決まります。返礼品ページの「区域内で行った工程」の記載と、2026年10月以降は自治体が公表する「価値の割合」の一覧を見れば、その返礼品がどの類型で地場産品とされているかが分かります。
原材料で判断する例(2号)
総務省のQ&A(問17)は、「主要な部分」かどうかを、加工品の重量や付加価値のうち半分を一定程度以上上回る割合がその原材料によるものか、などで判断するとしています。
| 認められると考えられる例 | 認められないと考えられる例 |
|---|---|
| 区域内産の牛乳や果物を100%使い、区域外で作ったジェラート | 区域内産の牛乳を約1割だけ使った、区域外製造のアイスクリーム |
| 区域内産の酒米を100%使い、区域外で醸造した地酒 | 区域内産の醤油・ポン酢を使った、区域外で加工したもつ鍋・水炊き |
| 区域内の事業者が100%自社栽培したリンゴを、区域外の工場で加工したジュース | 缶の原料の鉄を区域内で作っただけのビール |
| 原材料の柑橘の9割以上が区域内産のジュース |

寄附する人は、まず自分の上限額を確かめてください(ふるさと納税の限度額はいくら?2026年分の目安表)。
区域内の工程で判断する例(3号)
Q&A(問18)は、区域内の工程が完成品の重量や付加価値の半分を一定程度以上上回るかで判断し、次のような作業は「実質的な変更を加える加工」に当たらないとしています(関税法施行規則の例を参考にしたもの)。
- 輸送・保存のための乾燥・冷凍・塩水漬けなど
- 単なる切断、選別、仕分け、単なる混合
- 瓶や箱に詰めること、詰め替え
- マークやラベルを付けること
- 単なる部品の組み立て、セットにすること
| 認められると考えられる例 | 認められないと考えられる例 |
|---|---|
| 区域外産の豚肉を、区域内で切断・調理・袋詰めした加工品 | 区域外から仕入れたブロック肉を、区域内で切ってパックしただけの精肉 |
| 区域外産の原材料を使い、区域内の醸造所で醸造した酒 | 区域外で作ったビールに、自治体のオリジナルシールを貼ったもの |
| 区域外産のグラスに、区域内の事業者が伝統的な螺鈿(らでん)細工や漆芸を施した工芸品 | 海外で生産し、区域内の事業者が検品しているラジオ |
| 区域内の事業者が、区域外産の原材料を使って区域内で加工・品質管理を一元的に行う自社製品 | 区域外で作られ、区域内の茶商が監修しているペットボトルのお茶 |
食肉の熟成と玄米の精白は、同じ都道府県で生産された原材料に限られます。たとえば、輸入した牛肉を区域内で熟成させたもの、県外で収穫した玄米を区域内で精白したものは認められません(Q&A 問18の2)。
2026年10月からの変更点
2025年6月24日の告示改正(令和7年総務省告示第220号)で、2026年10月1日以後に始まる指定の期間から次のように変わります。
- 3号(区域内の工程による付加価値):区域内の工程で返礼品の価値の過半が生じていることを、製造などを行う事業者が証明し、自治体がその内容を寄附の募集を始める日までに自分のウェブサイトで公表したものに限られます
- 5号(キャラクターグッズなど):前年10月〜その年9月に自治体が広報のため自分で調達して配布・販売した実績があり、指定の期間中の配布・販売の計画があり、返礼品として出す数がその配布・販売の数を超えないことが条件に加わります
「価値の過半」の計算の仕方
総務大臣の通知(2026年4月1日付け 総税市第30号)が定める標準的な算出方法は次の式です。
区域内で生じた価値の割合 =(A − B)÷ A
A:自治体がその返礼品を調達した費用 B:その返礼品の製造・販売などのために区域外で生じた費用
| 例 | A(調達費用) | B(区域外の費用) | 割合 | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 10,000円 | 4,000円 | 60% | 過半なので当てはまる |
| 2 | 10,000円 | 5,000円 | 50% | ちょうど半分は「過半」ではない |
| 3 | 10,000円 | 7,000円 | 30% | 当てはまらない |
数字は説明のための例です。自治体が公表する一覧には、返礼品の名称、区域内で生じた価値の割合、算出方法、製造・加工地、1件あたりの調達費用、一般に販売するときの通常の価格が載ります(同通知)。また2026年6月26日の通知は、調達費用が合理的な理由なく一般の販売価格より高い場合、この基準に当てはまるかどうかに疑義が生じ得るとしています。

地場産品基準の違反で取り消された例
総務省の資料(2026年3月24日)によると、2019年6月の指定制度の開始から指定を取り消された9団体のうち、地場産品基準の違反があったのは次の2団体です。
| 団体 | 違反の中身 | 取消しの施行 |
|---|---|---|
| 奈半利町 | うなぎ蒲焼きなど(返礼割合の違反もあり) | 2020年7月23日 |
| 須坂市 | シャインマスカット(産地の適正な表示を確保する措置の不備もあり) | 2025年6月17日 |
取り消された自治体への寄附は、ふるさと納税の特例控除(住民税の特例分)の対象から外れます。
寄附する人にとって
- 地場産品基準は自治体が守る基準です。寄附する人の手続きや控除の計算が変わるものではありません
- 原材料や工程で地場産品としている返礼品は、その旨をポータルサイトなどに明記するようQ&Aが求めています。2026年10月からは、3号の返礼品について自治体のサイトで「価値の割合」などの一覧が見られます
- いま掲載されている返礼品は、ポータルサイトで確認できます。
さとふるで返礼品を見る
- 寄附の前に控除上限額を確かめておくと、上限を超えて自己負担が増えるのを防げます。
さとふるの控除上限額シミュレーションで年収と家族構成から目安を出せます
返礼品のほかの基準はふるさと納税の3割ルールとふるさと納税の5割ルール、2026年10月の変更の全体は2026年10月の指定基準の見直し、掲載が終わると予想されるカテゴリは2026年10月に消えるふるさと納税の返礼品は?で扱っています。
出典
いずれも総務省。確認日:2026年9月26日
- 平成31年総務省告示第179号(現行。第5条=地場産品基準)PDF、同(2026年10月1日適用。第6条)PDF
- 令和7年総務省告示第220号(2025年6月24日。3号・5号の見直し)PDF
- 令和6年総務省告示第203号(2024年6月28日。宿泊の基準など)PDF
- 「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&Aについて」(2026年4月1日付け 総税市第33号。問17・問18・問18の2)PDF
- 総務大臣通知(2026年4月1日付け 総税市第30号。標準的な算出方法と公表する一覧)PDF
- 「ふるさと納税に係る指定制度の運用について」(2026年6月26日 総税市第71号)PDF
- 「ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)」(2026年3月24日。過去の指定取消し事例)PDF


