ふるさと納税の制度改正|2026年10月からの変更と2025〜2027年の年表、寄附する人に関係するのはどれか

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2025年10月1日から、寄附に伴ってポイントなどを付ける者を通じたふるさと納税の募集が禁止されました。2026年10月1日からは、自治体が寄附を集める費用の基準が総務省の告示から地方税法に移り、寄附額のうち自治体が使える額(寄附金活用可能額)を52.5%以上にすることになりました。地場産品の基準も同じ日から変わっています。ここに挙げる変更のうち、寄附する人の手続きを変えるものはありません。控除の計算が変わるのは、2027年の寄附から住民税の特例分に193万円の上限がつく点で、影響があるのは住民税の課税所得がおよそ9,650万円を超える人です。
この記事では、総務省の告示・通知・報道資料と地方税法の条文で確かめた変更を、日付の順に並べました。確認日は出典ごとに書いています。
年表:2025年から2029年までに決まっている変更
日付 | 変わったこと・変わること | 寄附する人への影響 |
|---|---|---|
2025年6月17日・9月30日 | 基準に違反した6市町の指定の取消し | 取り消された自治体への寄附は、住民税の特例分の控除を受けられない |
2025年10月1日 | 寄附に伴ってポイントなどを付ける者を通じた募集の禁止 | ポイントを付けるサイトを通じた募集ができなくなった(カード決済で通常付くものに相当するポイントは除く) |
2026年3月31日 | 地方税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第2号)の公布 | 中身は下の2026年10月と2027年の行 |
2026年10月1日 | 寄附金活用可能額52.5%以上(費用は47.5%以下)。区域外の原材料を使う加工品は「価値の過半」の証明と公表が必要に | 手続きと控除の計算は変わらない |
2027年1月1日〜12月31日の寄附 | 住民税の特例分の上限が「所得割の20%」と「193万円」のいずれか低い額になる(令和10年度分の住民税から) | 住民税の課税所得がおよそ9,650万円を超える人は、上限額が下がる |
2027年10月1日・2028年10月1日・2029年10月1日 | 寄附金活用可能額を55%、57.5%、60%以上へ段階的に引き上げ | 手続きと控除の計算は変わらない |
2025年に変わったこと
ポイントなどを付ける者を通じた募集の禁止(10月1日)
総務省は2024年6月28日に指定の基準を見直し、「寄附に伴いポイント等の付与を行う者を通じた募集を禁止すること」を2025年10月1日から適用すると発表しました(令和6年総務省告示第203号)。寄附の決済に伴って提供されるもので、通常の商取引の決済に伴って提供されるものに相当するものは、禁止の対象から除かれます。総務省の2026年6月26日の通知は、ポイントに限らず、通常の返礼品とは別に追加で物品などを提供すると表示して募集することも、この基準に違反するおそれがあるとしています。
楽天グループは2025年7月10日、この告示の無効確認を求める訴訟を東京地方裁判所に起こしたと発表しました。その後の状況は、当サイトでは2026年9月27日時点で確認できていません。詳しくは楽天ふるさと納税のポイントはどうなった?にまとめています。
6市町の指定の取消し(6月17日・9月30日)
取消しの施行 | 団体 | 違反した基準 |
|---|---|---|
2025年6月17日 | 長野県須坂市 | 地場産品基準など |
2025年6月17日 | 岡山県吉備中央町 | 返礼品の3割ルール |
2025年9月30日 | 岡山県総社市 | 返礼品の3割ルール |
2025年9月30日 | 佐賀県みやき町・長崎県雲仙市・熊本県山都町 | 募集の費用の5割ルール |
取り消された自治体への寄附は、ふるさと納税の特例控除(住民税の特例分)の対象になりません。2026年3月31日以前に取り消された団体は、取消しから2年間は指定を受けられません。6市町と東京都は、2026年10月からの期間の指定を申し出ていません。
2026年10月からの地場産品基準を定めた告示(6月24日)
2025年6月24日の告示改正(令和7年総務省告示第220号)で、2026年10月1日以後に始まる指定の期間から、地場産品基準のうち区域内の工程による付加価値(3号)とキャラクターグッズなど(5号)の決まりが変わることになりました。中身は次の節に書いています。
2026年10月1日からの変更
項目 | 2026年9月30日まで | 2026年10月1日から |
|---|---|---|
募集の費用 | 寄附額の5割以下(総務省の告示) | 寄附額から費用を引いた寄附金活用可能額が52.5%以上(地方税法。費用は47.5%以下)。その後1年ごとに2.5ポイント上がり、2029年10月から60%以上 |
区域外の原材料を使う加工品(地場産品基準の3号) | 区域内の工程で相応の付加価値が生じたもの | 区域内の工程で価値の過半が生じたことを事業者が証明し、自治体が募集を始める日までに自分のウェブサイトで公表したものに限る |
キャラクターグッズなど(5号) | 自治体独自のものと明白なもの | 前年10月〜その年9月に広報のため配布・販売した実績があることなどが条件に加わる |
指定の条件 | ― | 指定の期間の初日前4年以内(指定を受けていた期間に限る)に基準の違反がないこと。2029年9月30日までに始まる期間では、2025年10月1日以後の違反が対象 |
このほか、1支払先あたり100万円以上の募集の費用について、支払先・支払額・支払目的を自治体のウェブサイトで公表することも求められています(総務省の告示第3条第2号。2026年10月からの期間の指定では、令和7年度の分を2026年9月30日までに公表)。寄附金活用可能額の使い道も、決算を議会の認定に付したあと自治体のウェブサイトに載せます(令和8年総務省告示第145号)。指定を取り消された場合に再び指定を受けられない期間は、2026年4月1日以降に生じた違反で取り消された場合は3年以内です(2026年3月31日以前に取り消された団体は2年)。
総務省は2026年9月25日、指定を申し出た1,781団体(46道府県・1,735市区町村)すべてを、2026年10月1日から2027年9月30日までの期間について指定しました(令和8年総務省告示第354号)。
これらは自治体が守る基準で、寄附する人の手続きや控除の計算の仕方を変えるものではありません。それぞれの詳しい中身はふるさと納税の5割ルールとは、ふるさと納税の地場産品基準とは、2026年10月以降の指定にまとめています。
2027年の寄附から:住民税の特例分に193万円の上限
ふるさと納税の控除は、所得税の控除、住民税の基本分、住民税の特例分の3つでできています。このうち特例分には、これまでも「住民税の所得割の20%」という上限がありました。令和8年法律第2号による改正で、2027年1月1日から、この上限が「所得割の20%」と「定額」のいずれか低い額になります。新しい上限は令和10年度分以後の住民税に使われます。令和10年度分の住民税は2027年中の寄附で計算するので、2027年の寄附から当てはまります(地方税法第37条の2第11項、第314条の7第11項、令和8年法律第2号の附則)。
住んでいるところ | 道府県民税の分 | 市町村民税の分 | 合計 |
|---|---|---|---|
指定都市以外 | 77万2,000円 | 115万8,000円 | 193万円 |
指定都市 | 38万6,000円 | 154万4,000円 | 193万円 |
所得税の控除と住民税の基本分は、この上限の対象ではありません。
上限が効くのはどんな人か
特例分の上限は「所得割の20%」と「193万円」の低いほうです。193万円のほうが効くのは、所得割の20%が193万円を超える人、つまり所得割が965万円を超える人です。住民税の所得割の税率が標準の10%なら、課税所得がおよそ9,650万円を超える人に当たります。
計算例
住民税の税率が標準の10%で、所得税率が45%(課税所得4,000万円超)の場合です。特例分は「(寄附額−2,000円)×44.055%」(100%−住民税10%−所得税率45%×1.021)で、自己負担が2,000円で済む寄附額(上限額)は「特例分の上限÷44.055%+2,000円」で求めます。
住民税の課税所得 | 所得割 | 2026年の寄附:特例分の上限/上限額 | 2027年の寄附:特例分の上限/上限額 |
|---|---|---|---|
5,000万円 | 500万円 | 100万円/約227万円 | 100万円/約227万円 |
1億円 | 1,000万円 | 200万円/約454万円 | 193万円/約438万円 |
2億円 | 2,000万円 | 400万円/約908万円 | 193万円/約438万円 |
2027年の寄附では、課税所得がおよそ9,650万円を超えると、上限額はおよそ438万円で頭打ちになります。上限額を超えて寄附した分は、所得税と住民税の基本分の控除だけになり、自己負担が増えます。この計算では、所得税の寄附金控除の限度(総所得金額等の40%)と住民税の基本分の限度(同30%)は超えないものとしています。特例分の仕組みは控除の「基本分」と「特例分」で説明しています。
寄附する人が確かめること
- 寄附先が指定されているか:2026年10月1日から2027年9月30日までの指定は、令和8年総務省告示第354号の一覧で確かめられます。東京都(都そのもの)と、2025年に取り消された6市町は指定されていません。都内の市区町村は指定されています
- 返礼品の中身と必要な寄附額:掲載は変わることがあるので、申し込むときの掲載で確かめます
- ポイント:寄附に伴ってポイントなどを付ける者を通じた募集は禁止されています。カード決済のポイントが付くかどうかは、使うカード会社の案内で確かめます
- 控除の手続き:寄附したあと、ワンストップ特例の申請か確定申告が要ることは変わりません(ワンストップ特例制度の申請手順)
- 上限額:さとふるの控除上限額シミュレーションで年収と家族構成から目安を出せます。課税所得がおよそ9,650万円を超える人は、2027年の寄附では上の計算例のとおり上限額が変わります
寄附先を探せるサイト
関連する記事
出典
- 総務省 報道資料「ふるさと納税の指定基準の見直し等」(2024年6月28日。ポイント等の付与を行う者を通じた募集の禁止)。2026年9月27日確認
- 総務省「ふるさと納税に係る指定制度の運用について」(2024年6月28日、総税市第67号。禁止から除かれるもの)。2026年9月27日確認
- 楽天グループ「ふるさと納税へのポイント付与を禁止する総務省告示の無効確認を求める訴訟の提起について」(2025年7月10日)。2026年9月27日確認
- 令和7年総務省告示第220号(2025年6月24日。地場産品基準の3号・5号の見直し)。2026年9月26日確認
- 総務省「ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)」(2026年3月24日。段階的な割合、過去の指定取消し事例)。2026年9月26日確認
- 令和8年総務省告示第145号(寄附金活用可能額の使い道の公表)。2026年9月26日確認
- 総務省「ふるさと納税に係る指定制度の運用について」(2026年6月26日、総税市第71号。経済的利益の提供、費用の公表、取消し後の期間)。2026年9月27日確認
- 総務省 報道資料「ふるさと納税指定制度に係る総務大臣の指定」(2026年9月25日)、令和8年総務省告示第354号(指定する団体の一覧)。2026年9月26日確認
- 地方税法(e-Gov法令検索、2027年1月1日施行の版):第37条の2第11項・第314条の7第11項(特例控除額の上限)、附則第5条の6(特例分の割合)、令和8年法律第2号の附則(令和10年度分以後に適用、寄附金活用可能額の段階的な割合)。2026年9月27日確認


