ふるさと納税の広告規制とは|禁止される広告・表現・ポイントの一覧

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ふるさと納税の広告規制とは、総務省の告示(平成31年総務省告示第179号)が自治体に守らせている「募集の適正な実施に係る基準」のことです。返礼品を強調した宣伝広告、「お得」「コスパ最強」などの寄附先選びをゆがめる表現、寄附にポイントを付ける事業者を通じた募集などが禁止されています。守らない自治体はふるさと納税の対象から外されます(指定の取消し)。
この記事では、総務省の告示・Q&A・通知(2026年9月25日付けのものまで)を読んで、何が・いつから禁止されているのかを一覧にしました。確認日はすべて2026年9月26日です。
広告規制の一覧(何が・いつから)
| ルール | 中身 | いつから |
|---|---|---|
| 返礼品を強調した宣伝広告の禁止 | 返礼品を前面に出して寄附を誘う広告を出さない | 2019年6月1日(指定制度の開始) |
| 同上の対象拡大 | 自治体と契約した事業者(ポータルサイトなど)や返礼品を扱う事業者が自分で出す広告も対象になった | 2024年10月1日 |
| 寄附先選びをゆがめる表現の禁止 | 「お得」「還元」などの表現を使った情報提供をしない(次の章) | 2019年6月1日 |
| 謝金で寄附者を紹介させる募集の禁止 | 第三者に謝金などを払って寄附者を紹介・勧誘させない | 2019年6月1日 |
| 返礼品の買取業者を通じた募集の禁止 | 寄附者から返礼品を買い取り、お金を払う業者を通じて募集しない | 現行の告示にあり |
| ポイントを付ける事業者を通じた募集の禁止 | 寄附に伴ってポイントなどを付ける事業者を通じて募集しない(後の章) | 2025年10月1日 |
| 募集費用は寄附額の5割以下 | 返礼品・送料・広告・手数料・事務費などの合計。2023年10月1日からは、ワンストップ特例や受領証の事務の費用も含める。2026年10月からは次の行の基準に置き換わる | 2019年6月1日〜2026年9月30日 |
| 寄附金活用可能額の基準 | 寄附額から募集費用を引いた残りが52.5%以上(段階的に60%まで引き上げ) | 2026年10月1日 |
| 支払先の公表 | 募集費用のうち1支払先100万円以上の支払いについて、支払先・金額・目的を自治体のサイトで公表する | 2026年10月1日 |
根拠:告示(2019年の制定時の本文、2023年の第244号、2024年の第203号、2025年の第220号、2026年の第145号)と総務省の報道資料。リンクは末尾の「出典」にまとめています。なお、2026年10月1日からは告示の条番号が変わり、この基準は第2条から第3条に移ります。

使ってはいけない表現(チェックリスト)
総務省のQ&A(2026年4月1日付け 総税市第33号、問5)は、「適切な寄附先の選択を阻害するような表現」の例として次の言葉を挙げています。自治体の公式サイトだけでなく、自治体が契約したポータルサイト上の表現も対象です。
- 「お得」
- 「コスパ(コストパフォーマンス)最強」
- 「ドカ盛り」
- 「圧倒的なボリューム」
- 「おまけ付き」
- 「セール」
- 「買う」「購入」
- 「還元」
- キャンペーンのような形で、通常と比べた「必要寄附金額の引下げ」や「個数の増量」を併記すること
さらに2026年8月20日の通知(総税市第96号)は、一部のポータルサイトで次のような表現が見つかっているとして、違反のおそれが高いと注意しました。
- 「コスパ」「特別寄附額」「特別規格」「家計応援」「物価高応援」など、必要寄附金額が割安だと思わせる表現
- 将来、必要寄附金額を引き上げると予告して募集すること
同じ通知によると、違反かどうかは特定の言葉を使ったかではなく表現全体で判断されます。例示にない言葉なら使ってよい、という意味ではありません。また、ポータルサイト上の表現を外部の事業者が書いた場合でも、指定取消しの対象になるのは自治体です。2026年9月25日の通知(総税市第108号)でも「依然として」こうした表現が見られるとして、今後調査を行う予定だとしています。
寄附する人は、まず自分の上限額を確かめてください(ふるさと納税の限度額はいくら?2026年分の目安表)。
「宣伝広告」に当たるもの・当たらないもの
同じQ&A(問2〜問4)の内容を表にしました。
| 当たる(禁止) | 当たらない(認められる) |
|---|---|
| 新聞・テレビ・インターネットなどの広告に、返礼品を強調して載せる | 寄附金の使い道の紹介やふるさとへの支援の呼びかけ、移住・定住、シティープロモーションが目的の広告に、返礼品の情報を付随的に載せる |
| 返礼品の情報が大部分を占めるパンフレットを作り、不特定多数に配る | ポータルサイト上での通常の情報提供(ただし上の表現の禁止は受ける) |
| ポータルサイトなどのメールマガジンで、市区町村名を出して返礼品を強調し、その市区町村が内容を確認したもの | どの広告媒体を使うか(新聞・テレビ・Web など)は自治体の判断 |
Q&Aは、自治体に対して、事業者の広告で自分の返礼品が強調されていないか確認し、契約にそうした広告をしない旨の規定を入れるよう求めています。
ポイント付与の禁止(2025年10月1日から)
2024年6月28日の告示改正で、「寄附に伴いポイント等の付与を行う者を通じた募集」が禁止されました(2025年10月1日から適用)。Q&A(問1の3)が挙げる対象は次のとおりです。
| 禁止の対象 | 対象外 |
|---|---|
| ポータルサイト運営事業者などが寄附に付随して付けるポイント(「マイル」「コイン」など名前を問わない) | 通常の買い物の決済で付くものに相当するポイント(ふつうの買い物と同じ条件で付くクレジットカードなどのポイント) |
| いわゆるポイントサイトを経由してポータルサイトで寄附したときに付くポイント | |
| クレジット会社・キャッシュレス決済事業者のポイントのうち、ふるさと納税の決済を対象に追加で付けるもの、ふるさと納税以外のサービスの利用状況に応じて追加で付けるもの |
2026年9月25日の通知は、ポイントに限らず、返礼品を出す事業者が、通常の返礼品とは別に物品などを追加で提供すると表示して募集することも違反のおそれがあると注意しています。
禁止が始まったあとの各サイトの状況はポイント付与禁止後の現状と対応で扱っています。
寄附金はどこに使われているか(令和6年度の実績)
広告費や手数料をしばる理由は、寄附金のうち自治体が地域のために使える分を増やすためです。総務省の資料(2026年3月24日)が示す令和6年度の内訳は次のとおりです。
| 内訳 | 金額 | 割合 |
|---|---|---|
| 返礼品 | 3,208億円 | 25.2% |
| 送付・広報・決済 | 1,017億円 | 8.0% |
| 事務費など | 1,676億円 | 13.2% |
| 自治体の財源(寄附金活用可能額) | 6,826億円 | 53.6% |
| 受入額の合計 | 1兆2,728億円 | 100% |
2026年6月26日の通知(総税市第71号)によると、令和6年度のポータルサイトの実質的な手数料は1,379億円、手数料率は11.5%でした。総務省は2026年5月22日に、大手ポータルサイト運営事業者が加わる一般社団法人ふるさと納税協会の会員企業へ、手数料の引下げを要請しています。
2026年10月からは、この「自治体の財源」の割合に基準ができます。
| 指定の期間 | 寄附金活用可能額の割合 |
|---|---|
| 2026年10月1日~2027年9月30日 | 52.5%以上 |
| 2027年10月1日~2028年9月30日 | 55%以上 |
| 2028年10月1日~2029年9月30日 | 57.5%以上 |
| 2029年10月1日以降 | 60%以上 |
- 寄附金活用可能額=その期間に受け取った寄附額−募集費用(地方税法第37条の2第2項第2号イ。60%は法律の本則、途中の割合は経過措置)
- 募集費用には、受領証の発行、ワンストップ特例の申請書の受付、ふるさと納税の業務をする職員の人件費(兼任も含む)、ポータルサイト運営事業者への支払い、事務の委託費などもすべて含まれます(2026年6月26日の通知)
- 費用は「寄附金受領日ベース」で計上することに統一されました(2026年4月1日付け 総税市第34号)
- 観光のポスターの一部でふるさと納税を募集する場合などは、掲載面積などで費用を按分します(Q&A 問7)
- 2026年10月からの期間で52.5%を下回った自治体は、2027年10月からの期間で指定取消しの対象になり得ます
寄附金活用可能額と5割ルールの計算の仕方はふるさと納税の5割ルールとはにまとめています。

守らないとどうなるか
基準を守らない自治体は指定を取り消され、その自治体への寄附はふるさと納税の特例控除の対象から外れます。総務省の資料(2026年3月24日)によると、2019年6月の指定制度の開始から取り消されたのは9団体です。そのうち募集の基準(広告・費用など)の違反があったのは次の4団体でした。
| 団体 | 違反の中身 | 取消しの施行 |
|---|---|---|
| 須坂市 | 食品の産地の適正な表示を確保する措置の不備(地場産品基準の違反もあり) | 2025年6月17日 |
| みやき町 | 募集費用の割合 59.8% | 2025年9月30日 |
| 雲仙市 | 募集費用の割合 56.4% | 2025年9月30日 |
| 山都町 | 募集費用の割合 56.1% | 2025年9月30日 |
残りの5団体は、返礼品の調達費用が寄附額の3割を超えた(3割ルール)か、地場産品の基準の違反です。返礼品そのものの基準は地場産品基準、2026年10月からの変更点は2026年10月の指定基準の厳格化で扱っています。
寄附する人が知っておくこと
- ここで紹介したのは、自治体が守る基準(指定基準)です。寄附する人に向けた規制ではありません
- 自治体が契約したポータルサイトの返礼品ページの言葉づかいも、この基準の対象です
- 2025年10月からは、ポータルサイトのポイントや、ふるさと納税だけの追加ポイントは付きません。ふつうの買い物と同じ条件で付くカードのポイントは対象外です
- 寄附する前に、自分の控除上限額を確かめておくと、上限を超えて自己負担が増えるのを防げます。
さとふるの控除上限額シミュレーションで年収や家族構成から目安を出せます
- 規制後の返礼品ページの表示は、ポータルサイトで確認できます。
さとふるで返礼品を見る
複数のポータルサイトの使い分けはふるさと納税は複数サイトを使ってもいい?をご覧ください。
出典
いずれも総務省。確認日:2026年9月26日
- 平成31年総務省告示第179号(制定時の本文。2019年6月1日から適用)PDF
- 令和5年総務省告示第244号(募集費用に付随事務の費用を含める。2023年10月1日から)PDF
- 報道資料「ふるさと納税の指定基準の見直し等」(2024年6月28日)総務省のページ、令和6年総務省告示第203号 PDF
- 令和7年総務省告示第220号(支払先の公表・地場産品の証明。2026年10月1日から)PDF
- 令和8年総務省告示第145号(寄附金活用基準。2026年10月1日から)PDF
- 「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&Aについて」(2026年4月1日付け 総税市第33号)PDF
- 「ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)」(2026年3月24日)PDF
- 「ふるさと納税に係る指定制度の運用について」(2026年6月26日 総税市第71号)PDF
- 「ふるさと納税制度における募集適正基準の遵守の徹底について」(2026年8月20日 総税市第96号)PDF
- 「ふるさと納税制度の適正な運用について」(2026年9月25日 総税市第108号)PDF
- 告示・通知の一覧:総務省 ふるさと納税ポータルサイト「関連資料」総務省のページ
制度は毎年見直されます。寄附や事務の前に、上の一覧で最新の告示・通知を確かめてください。


