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住んでいる自治体にふるさと納税はできる?寄附と控除はできるが返礼品は受け取れない|総務省の基準と、それでも寄附する意味がある3つの場合

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「ふるさと納税は、いま住んでいる市や町にもできるのか」という質問には、2つの答えがあります。寄附そのものはできて、税の控除も受けられます。ただし、返礼品は受け取れません。総務省の基準で、自治体は自分の区域内に住む人へ返礼品を出せないことになっているからです。この記事では、住んでいる自治体への寄附で何ができて何ができないか、それでも寄附する意味があるのはどんな場合か、そして引っ越した年にどう扱われるかを、総務省の資料にそって整理します。記載の内容は2026年10月3日に総務省のサイトで確認したものです。

住んでいる自治体への寄附は「できる」。控除も受けられる

ふるさと納税は、生まれ故郷に限らず、どの都道府県・市区町村にも寄附できる制度です。総務省のよくある質問(Q2)でも「生まれ故郷の自治体以外にもできる」と案内されていて、寄附先の条件に「住んでいる自治体を除く」という決まりはありません。いま住んでいる市区町村や都道府県に寄附しても、ふるさと納税として扱われます。

税の控除も同じです。ふるさと納税の控除は、都道府県・市区町村への寄附金について、所得税からの控除、住民税の基本分、住民税の特例分の3つで計算されます(控除のしくみの詳細)。この計算は寄附先がどの自治体かで変わらないので、住んでいる自治体に寄附した場合も、上限額の範囲なら自己負担2,000円で残りが控除されます。ワンストップ特例も使えます。

ただし、ふるさと納税で控除される住民税は、いま住んでいる自治体に納める住民税です。住んでいる自治体に寄附すると、その自治体に寄附金が入り、翌年にその自治体の住民税が減る、という形になります。自治体の側から見れば、お金の出入りが同じ自治体の中で起きるだけで、他の自治体に寄附された場合のような税収の流出はありません。

返礼品は受け取れない:総務省の基準で決まっている

いちばん大きな違いが返礼品です。ふるさと納税の対象になる自治体は総務省の指定を受ける必要があり、その指定の基準(平成31年総務省告示第179号。総務省自治税務局の資料の「募集の適正な実施に係る基準」)の中に、「当該地方団体の区域内に住所を有する者に対する返礼品等の提供」をしないことが含まれています。つまり、自治体は自分の住民に返礼品を出すと指定の基準に反することになるので、どの自治体も住民には返礼品を出しません。

この基準は2019年6月の指定制度の開始から続いているもので、2026年10月の基準の見直し(10月から何が変わったか)でも変わっていません。ポータルサイトから申し込む場合も、この基準は変わりません。画面の作りはサイトによって違うので、申し込みの途中で出る注意書きを確かめてください。

返礼品の対象かどうかは、寄附者本人の住所で決まります。本人は別の市に住んでいて、家族が住む自治体に寄附する場合は、寄附者本人の住所が区域外なので返礼品の対象になります(寄附者名義と支払いの名義はそろえる必要があります。名義の注意)。

返礼品のある寄附先を探すなら、ポータルサイトで住んでいる自治体以外から選ぶことになります。
さとふるで返礼品を見る

それでも住んでいる自治体に寄附する意味がある場合

返礼品がなくても、住んでいる自治体に寄附する意味がある場合が3つあります。

ひとつめは、使い道を指定したい場合です。ふるさと納税は寄附の使い道(子育て、教育、防災、文化財など)を選べる自治体が多く、住民税として納めるとできない「この事業に使ってほしい」という指定ができます。ガバメントクラウドファンディング(GCF)のように、特定の事業に対して募集している寄附もあります(GCFの控除の扱い)。自分の町の特定の事業を支えたい人には、返礼品がなくても寄附する理由になります。

ふたつめは、災害のあとの支援です。自分の住む地域が被災したときに、ふるさと納税の仕組みを使って自治体に寄附する人がいます。この場合も控除は通常どおり受けられます(災害支援の寄附の控除)。

みっつめは、上限額の残りを使い切りたいが、ほしい返礼品がない場合です。返礼品を選ぶこと自体が面倒で、自己負担2,000円で地元に寄附金を回したい、という考え方もあります。この場合、控除の計算は返礼品のある寄附と同じなので、上限額の中に収まっていれば損はしません。ただし、自己負担の2,000円は返礼品がなくてもかかります。

逆に、「返礼品がもらえるものだと思って住んでいる自治体に寄附してしまった」という場合は、寄附自体は有効で控除も受けられます。返礼品が届かないだけなので、損をしたとすれば2,000円の自己負担分と、返礼品の分です。

引っ越した年はどうなるか

住所が変わる年は、返礼品と控除で確かめることが違います。

返礼品については、基準の文言は「区域内に住所を有する者」への提供をしないことです。引っ越しの前後に、これから住む自治体や前に住んでいた自治体へ寄附するときは、返礼品の対象になるかを、寄附先の自治体の案内で確かめてください。

控除については、寄附した年の翌年1月1日に住んでいる自治体が住民税を課税し、その住民税から控除されます。年の途中で引っ越した人は、ワンストップ特例の申請書に書いた住所と1月1日の住所が違うと、申請が正しく処理されないことがあります。この場合は寄附先に「申告特例申請事項変更届出書」を出す必要があります。手続きの詳細は引っ越したときの変更の届出にまとめています。

まとめ

住んでいる自治体へのふるさと納税は、寄附も控除もできますが、返礼品は受け取れません。総務省の指定基準で、自治体は区域内に住所がある人に返礼品を出せないと決まっているためです。使い道を指定したい、災害のあとに地元を支えたい、返礼品はいらないが上限額の残りを使いたい、という場合には意味のある寄附になります。返礼品を受け取りたい人は、住んでいる自治体以外から寄附先を選んでください。引っ越す年は、返礼品の対象になるかを寄附先の案内で確かめ、控除は翌年1月1日に住んでいる自治体の住民税から行われるので、ワンストップ特例の住所変更の届出を忘れないようにしてください。

出典:総務省 ふるさと納税ポータルサイト「よくある質問」Q2(寄附先は生まれ故郷に限らない)、総務省自治税務局「ふるさと納税指定制度における令和元年6月1日以降の指定等について」(募集の適正な実施に係る基準:区域内に住所を有する者に対する返礼品等の提供をしないこと)、総務省「税金の控除について」。2026年10月3日に確認、2026年10月4日にリンクを確認。