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海外赴任・海外在住のふるさと納税|翌年1月1日に日本に住所がないと住民税の控除はない。出国する年・海外にいる年・帰国する年の控除と手続き

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秋は海外赴任の辞令が出る時期です。「今年のふるさと納税はもう済ませた」「赴任前に駆け込みで寄附したい」という人が確かめておきたいのが、翌年1月1日に日本に住所があるかどうかです。ふるさと納税の控除の大半は住民税から引かれますが、住民税は翌年1月1日に住所のある市区町村が課税する税です。1月1日に海外にいると翌年度の住民税そのものがかからないので、ふるさと納税の住民税の控除を受ける先がなくなります。この記事では、総務省と国税庁の公式ページで2026年10月5日に確認した内容にもとづき、出国する年・海外にいる年・帰国する年の3つの場合に分けて、控除がどうなるかと手続きを整理します。

住民税は「翌年1月1日の住所」で決まる

総務省の個人住民税の説明では、個人住民税はその年の1月1日現在に市区町村に住所のある人に課税されます。前年の所得をもとに所得割(標準税率10%)と均等割を計算し、6月から翌年5月にかけて納めます。

ふるさと納税の控除は、所得税の寄附金控除(寄附した年の所得税から)と、住民税の基本分・特例分(翌年度の住民税から)の3つを合わせて「寄附金 − 2,000円」になる仕組みです(控除のしくみの詳細)。所得税率20%の人が1万円を寄附した場合、所得税からは約1,600円、住民税からは約6,400円が引かれ、住民税側が全体の8割を占めます。

つまり、寄附した年の翌年1月1日に日本に住所がなければ、翌年度の住民税がかからず、控除の8割にあたる住民税の基本分・特例分を受け取る先がないことになります。この点が、海外赴任とふるさと納税の関係でいちばん大きい論点です。

場合1:出国する年(例:2026年中に出国し、2027年1月1日は海外)

2026年に寄附をして、2026年中に出国し、2027年1月1日に日本に住所がない場合です。この場合、2027年度の住民税はかからないので、2026年の寄附に対する住民税の控除(基本分・特例分)はありません。

残るのは所得税の寄附金控除だけです。国税庁のタックスアンサーNo.1926では、非居住者が確定申告で受けられる所得控除として「雑損控除、寄附金控除、基礎控除」が挙げられており、寄附金控除は居住者期間・非居住者期間を通して受けられます。ただし、国税庁のNo.1920のとおり、1年以上の予定で海外の支店などに転勤する人は出国の日の翌日から非居住者になり、出国後の国外勤務の給与には原則として日本の所得税がかかりません。控除する所得税は、出国までの国内の給与にかかる分だけです。

金額で見ると、所得税率20%(復興特別所得税を含めて20.42%)の人が1万円を寄附した場合、所得税の寄附金控除は「(10,000円 − 2,000円)× 20.42% = 約1,634円」です。自己負担は約8,366円で、通常の2,000円とは比べものになりません。出国する年にふるさと納税をする場合は、返礼品を「約8,400円で買う」のに近い結果になることを知ったうえで判断してください。

手続きは確定申告です。年末調整では寄附金控除は受けられないので(年末調整ではできない理由)、出国の日までに確定申告をするか、国税庁のNo.1923にある「納税管理人」を選んで、出国後に代わりに申告してもらいます。納税管理人は個人でも法人でもよく、「所得税・消費税の納税管理人の届出書」を所轄の税務署に出します。

ワンストップ特例は使えません。ワンストップ特例は確定申告をしない代わりに住民税側で控除を受ける仕組みなので、翌年度の住民税がかからない人には適用する先がありません。

出国前に寄附先を選ぶなら、上限額を出してから寄附するのが確実です。
さとふるで返礼品を見る

場合2:海外にいる年(1月1日も12月31日も海外)

年の初めから終わりまで海外に住んでいて、日本の住民税も所得税もかかっていない年は、ふるさと納税をしても引く税がありません。寄附そのものはできますが、控除は所得税も住民税もなく、寄附額の全額が自己負担です。

例外は、国内に不動産の賃貸収入などの国内源泉所得があって、日本で確定申告をしている人です。国税庁のNo.1926のとおり、非居住者でも国内の不動産所得などは総合課税の対象で、寄附金控除はこの申告で受けられます。ただし住民税は1月1日に国内に住所がないのでかからず、受けられるのは所得税の寄附金控除だけです。

返礼品の受け取りも確かめておきたい点です。ふるさとチョイスのFAQでは、寄附者と別の住所に返礼品や書類を送ることは「制度上問題ございません」とされていますが、対応は自治体ごとに違い、海外への発送については記載がありません。海外在住のまま寄附する場合は、国内の家族の住所に送れるかを含めて、申し込む前に寄附先の自治体に確かめてください。

場合3:帰国する年(例:2026年中に帰国し、2027年1月1日は日本)

2026年中に帰国して2027年1月1日に日本に住所があれば、2027年度の住民税がかかるので、2026年の寄附に対する住民税の控除を受けられます。所得税の寄附金控除も受けられます。控除の仕組みは通常の年と同じです。

注意したいのは上限額です。住民税の所得割は前年の所得から計算しますが、国税庁のNo.1920のとおり、非居住者だった期間の国外勤務の給与には日本の所得税がかかりません。帰国した年の所得は、帰国後に国内で受け取った分が中心になるので、通年で働いた年より上限額は低くなります。目安は帰国後の給与で見ます。給与の見込み方は年収は額面?手取り?と上限額の目安表を使ってください。正確な金額は、帰国後の住所地の市区町村に確認するのが確実です。

手続きは、確定申告かワンストップ特例のどちらでもかまいません。ただし、帰国した年に国内で複数の勤め先から給与を受けたり、海外赴任中の給与の精算で確定申告が必要になったりする場合は、ワンストップ特例は使えず、確定申告で寄附も申告します(ワンストップ特例が無効になる条件)。

家族が日本に残る場合:名義を配偶者にする選択

単身で赴任し、配偶者が日本で働いている場合は、配偶者の名義でふるさと納税をする方法があります。控除は寄附した本人の税から引かれるので、日本で住民税を納める配偶者の名義で寄附すれば、通常どおりの控除が受けられます。上限額は配偶者の所得で決まり、支払いの名義も配偶者にそろえます(共働き夫婦のふるさと納税、名義の注意)。配偶者に所得がなければ、この方法は使えません。

出国前のチェックリスト

確かめること

見る先

翌年1月1日に日本に住所があるか(住民票を抜くか)

赴任期間・会社の指示。1年以上の予定なら出国の翌日から非居住者(国税庁 No.1920)

今年すでにした寄附の控除がどうなるか

1月1日に海外なら住民税の控除はなく、所得税の寄附金控除だけ。確定申告が必要

確定申告を誰がするか

出国前に自分で出すか、納税管理人を選任(国税庁 No.1923)

ワンストップ特例の申請書を出していないか

出していても、翌年度の住民税がなければ控除の先がない。確定申告をする場合は寄附金控除の欄に書く

返礼品の配送先

まだ届いていない返礼品は、国内の受取先を自治体に連絡

まとめ

ふるさと納税の控除の約8割は住民税から引かれ、住民税は翌年1月1日に住所のある市区町村が課税します。出国する年の寄附は、翌年1月1日に海外にいると住民税の控除がなくなり、所得税の寄附金控除(1万円の寄附で約1,600円)だけになるので、自己負担は約8,400円です。海外にいる年の寄附は引く税がなく全額自己負担、帰国する年の寄附は通常どおり控除を受けられますが、上限額は帰国後の所得で見ます。手続きは確定申告が中心で、出国後は納税管理人が代わりに申告できます。家族が日本に残る場合は、配偶者の名義で寄附する方法があります。

出典:総務省 個人住民税(1月1日現在の住所地で課税)、国税庁 タックスアンサー No.1920 海外勤務と所得税額の精算、国税庁 No.1923 海外勤務と納税管理人の選任又は解任、国税庁 No.1926 海外勤務中に不動産所得などがある場合(非居住者が受けられる所得控除)、ふるさとチョイス FAQ 別の住所にお礼の品や書類を送る。数値例は所得税率20%で当サイトが試算。2026年10月5日に確認。