退職した年のふるさと納税|上限額の計算例とワンストップ特例・確定申告の選び方

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退職した年のふるさと納税の上限額は、その年1月〜12月に受け取った給与などで決まります。前の年の年収で寄附額を決めると、上限を超えやすくなります。下の計算例では、6月末に退職してその年の給与が250万円になると、上限額の目安は1年勤めた場合(給与500万円)の約5万7,400円から、約2万1,800円に下がります。
失業手当は上限額の計算に入りません。退職金も、原則として上限額に影響しません。この記事の内容は、法令・国税庁・総務省・市の資料で2026年9月27日に確認したものです。
上限額に入るもの・入らないもの
ふるさと納税の控除は、寄附した年の所得税と、翌年度の住民税から引かれます(総務省)。そのため、退職した年の寄附は、その年の所得で上限額が決まります。
項目 | 上限額の計算 | 根拠 |
|---|---|---|
退職日までの給与・賞与 | 入る | その年の給与所得 |
年内に再就職した先の給与 | 入る(前の勤務先の給与と合計) | 国税庁 No.2674 |
失業手当(雇用保険の基本手当) | 入らない | 雇用保険法第12条(失業等給付に税金をかけられない) |
退職金 | 原則として入らない | 支払いを受けるときに分離して課税されるため(八王子市) |
退職金について八王子市は、所得税の源泉徴収義務のない事業所から支払われる場合などは例外として影響する可能性がある、と説明しています。
計算例:1年勤めた場合と6月末に退職した場合
月給が同じで、1年勤めると給与500万円、6月末に退職すると給与250万円になる人の例です。社会保険料は例として給与の15%とし、独身でほかの所得控除はないものとします。
1年勤めた場合 | 6月末に退職した場合 | |
|---|---|---|
給与収入 | 500万円 | 250万円 |
給与所得 | 356万円 | 167万円 |
社会保険料(例:給与の15%) | 75万円 | 37万5,000円 |
所得税の課税所得(税率) | 177万円(5%) | 25万5,000円(5%) |
住民税の課税所得 | 238万円 | 86万5,000円 |
住民税の所得割 | 23万5,500円 | 8万4,000円 |
ふるさと納税の上限額(目安) | 約5万7,400円 | 約2万1,800円 |
計算のしかた(6月末に退職した場合)
- 給与所得:250万円−給与所得控除83万円(250万円×30%+8万円)=167万円
- 住民税の課税所得:167万円−43万円(住民税の基礎控除)−37万5,000円(社会保険料)=86万5,000円
- 住民税の所得割:86万5,000円×10%−調整控除2,500円=8万4,000円
- 特例分の上限:8万4,000円×20%=1万6,800円
- 上限額:1万6,800円÷(90%−5%)+2,000円=約2万1,800円
所得税の課税所得は、給与所得から基礎控除(令和8年分は合計所得金額489万円以下で104万円)と社会保険料を引いた金額で、どちらの例も税率5%の範囲です。特例分の割合は総務省の式「100%−10%−所得税の税率」で計算しました(復興特別所得税の分は含めていません)。
退職後に国民健康保険料や国民年金保険料を払うと、その分も所得から差し引かれるので、上限額はさらに下がります。実際に試算するときは、退職した年の給与の合計と、その年に払った社会保険料の合計を使います。
- 年収と家族構成から目安を出す:さとふるの控除上限額シミュレーション。前の年の年収ではなく、退職した年の給与の合計を入れます
- 計算のしかたを詳しく見る:控除の「基本分」と「特例分」の仕組み
年内に再就職した場合
上限額は、前の勤務先と新しい勤務先の給与の合計で決まります。新しい勤務先の年末調整では前の勤務先の給与も含めて計算し、その確認には前の勤務先の源泉徴収票が使われます(国税庁 No.2674)。転職で年収が変わった年の考え方は転職した年のふるさと納税にまとめています。
ワンストップ特例か確定申告か
- 年内に再就職しない場合:年末調整を受けないため、源泉徴収された所得税が納めすぎになっていることがあります。翌年に確定申告をすると還付を受けられ、申告書は翌年1月1日から5年間出せます(国税庁 No.1910)
- 確定申告をする場合:ワンストップ特例は適用されません。退職前にワンストップ特例の申請書を出していても、確定申告でふるさと納税の寄附金をすべて申告します(総務省)
- ワンストップ特例を使える場合:確定申告の不要な給与所得者等で、寄附先が5団体以内の場合に限られます(総務省)
配偶者の扶養に入る場合
扶養に入るかどうかと、自分に住民税の所得割がかかるかどうかは別です。退職した年の給与が119万円を超えると、所得割がかかることがあります(単身・令和9年度の住民税)。所得割があれば、上限額の範囲で控除されます。年収ごとの上限額の目安はパート主婦のふるさと納税、失業手当との関係は失業手当はふるさと納税の年収に入る?で計算しています。
寄附先を探せるサイト
関連する記事
出典
- 総務省 税金の控除について:控除される年、特例分の計算式と所得割の2割の上限。2026年9月27日確認
- 総務省 ふるさと納税の流れ、総務省「ワンストップ特例を申請する皆様へ」:ワンストップ特例の条件と、確定申告をする場合の扱い。2026年9月27日確認
- 雇用保険法(e-Gov法令検索):第12条(公課の禁止)。2026年9月27日確認
- 八王子市「退職所得は、ふるさと納税控除限度額に影響しますか。」(令和8年2月1日更新)。2026年9月27日確認
- 国税庁 No.1910 中途退職で年末調整を受けていないとき、No.2674 中途就職者の年末調整(令和8年4月1日現在法令等)。2026年9月27日確認
- 国税庁「源泉所得税の改正のあらまし」令和8年4月:令和8年分の基礎控除104万円。No.2260 所得税の税率。2026年9月27日確認
- 大阪市「令和9年度から実施される市民税・府民税の税制改正について」:住民税の基礎控除43万円、非課税となる給与収入(単身)119万円。2026年9月27日確認
本記事は税の仕組みを整理したものです。実際の税額は、お住まいの市区町村の住民税決定通知書や窓口、税務署で確認してください。


